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西村邸の想いと、愛すべきクラフトマンシップにふれる読み物です

西村邸でやりたい10の企画

改めまして、こんにちは。西村邸 主宰の杉本雄太です。

西村邸とはなんぞや?については、新しくなったWEBサイトのいろいろなところをご覧ください。そして、お近くの方は、ぜひ覗きに来てください。カフェのコーヒーは、1杯税込385円で用意していますが、なんなら飲まずに見学だけでも構いません。まずはいろんな方に、この場所を見ていただきたいです。お気軽に。

 

長文のブログを書くのは久しぶりです。

2019年の元日から2月末日までの2か月間、「『西村邸』のこと」というシリーズ名で、平日の毎日、計41本のブログを書き続けました。旅のこと、食のこと、デザインのことなど…西村邸という場所を拠点に、ぼくは何がしたいのか。それを自分の中で整理する意味も込めて、ただひたすら自分の価値観を書きなぐった、41本です。

ぼくのnoteでアーカイブしていますので、最近西村邸を知り、関心を持っていただけた方は、よければご覧ください。今回、自分でもザッと読み返しましたが、かなり乱文で恥ずかしいです笑

西村邸WEBサイトのブログにも、同じようにぼくが思ったことをつらつらと書いていきます。さすがに毎日とはいかないので、週1とか。いまのところ、カフェ営業の定休日が木曜日なので、その日にすると思います。

お知らせとか、イベントの案内なんかは、ちょっと整えた文体で書きますが、このシリーズに関しては、かなり明け透けに、ラフな文で書いていくと思います。こんな人が、中に入っているんだなと感じてください…笑 気に入ってもらえたら、お付き合いいただけると嬉しいです。

 

 

さて、最初は何を書こうかと…再開1発目なので、前向きに。ぼくが西村邸でやりたいと思っている企画を、とりあえず10個書くことにしました。

 

西村邸の準備に1年以上かかった分、その過程で、本当にいろんな方とお会いできました。(改めて、お待たせしました。これからよろしくお願いします。)いろんな方とお会いする中で「こんなことがしたいんです!!」と口にしていたら、そのいくつかが早くも実現しそうで、「言ってみるもんだなぁ」とつくづく思っています。有難いかぎりです。

ので、これからやりたいことも書きます。パクられるとかいう、大層な話ではないですし、読んで「一緒にやりましょう!」という方が現れるリターンの方が大きいから。ご連絡お待ちしてます。たくさんありますので、さっそくいきましょう。

 

1.作家さんのものと暮らす

叶いそうなこと、その1です。11月30日(土)と12月1日(日)に、奈良一刀彫NARADOLL HIGASHIDAさん、大阪のデザイナー 三宅右記さんと、【一刀彫の体験×展示会×宿泊】というイベントをします。そして、これは少し先にはなりますが、2020年4月に、陶芸の奈廬窯さん、料理家の山澤いずみさんと、【器×食×奈良町屋】というのもやります。

それぞれの詳しい内容を話し出すと長くなるので、ここでは省きますが、西村邸で過ごす時間の中で、一刀彫の人形や、陶芸の器を使ってもらおう、ということを考えています。器はともかく、人形を使うってイメージしにくい人も多いかもしれませんが、生活の中に確かに存在する、ということです。

伝統的な工藝というものを、すごくいいなと、ぼくは思っています。ただ、多くの工藝品は、それと向かい合うとき、肩に力が入ってしまう雰囲気を備えている。それはもったいないと思います。あくまで…あくまで個人的な想いですが、博物館的、骨董品的であればあるほど、それらの価値は損なわれる気がしてなりません。「用の美」という言葉があるように、工藝品も実際に使ってなんぼ。なにより、西村邸自体もそういう場所です。この奈良町屋も、一種の工藝品だとぼくは考えていますが、博物館ではいけない。使ってもらわないと意味がないです。

安売りではない、価値を高めるための敷居の下げ方を、作り手さんと考えていきたい。そう考えています。

◆実現に向けての課題:作り手、お客さん、西村邸-三方よし、の仕組みづくり。【器×食×奈良町屋】のイベントは、器の体験として、なかなかいい形になりそうです。お楽しみに。

 

 

2.子ども~学生さんと何かを作り出す

叶いそうなこと、その2です。あるいは、もう叶っているのかもしれません。11月10日に、地域の交流イベントなどを企画・運営されている、編集奈良というチームに招いていただき、奈良周辺の学生さん、30人ほどが集まるワークショップに参加してきました。「ある場所を拠点にした、学生が楽しめるまちづくりの企画を考えよう」というワークの題材として、西村邸を選んでいただいたのです。

1.の「敷居の下げ方」とも関わりますが、日本的なもの、伝統的なもの、鄙(ひな)びを帯びた素朴なもののよさに、人生のなるべく早いうちに触れて欲しいと考えています。ちょっと極端な例ですが、地球環境を守る活動に参加するにしても、大人になって粗方消費しつくした後に参加するよりも、若いうちから参加できるに、こしたことはありません。

そして、ぼくにとっての西村邸が、思い出深い「おばあちゃんち」であるように、いまの若い世代にも、この場所でのいい思い出を作ってもらいたい。それが、これからも町屋のある風景を守っていくのに、必要不可欠なことだと考えています。

ワークショップに参加してくれていた大学生の一人が、終わったあと早速「小中学生が宿題をする場所を作りたいです」という連絡をくれ、「きたぁぁぁ!!!」と小躍りしているところです。最高。

◆課題:親御さんからの信頼。あとはやっぱり、みんなお金がない中、どうマネタイズして継続するか。まぁ、これについては、できなくてもいいんでしょうね。こたつに入りに来てくれればそれでいい。

 

 

3.地元の人、泊まりに来た人と協力して、ガイドマップをつくる

これは、もうやるぞと決めていることです。年が明けてから春が来るまで、観光的には閑散期なので、そこで一気に進めます。もし閑散としなくても、うれしい悲鳴をあげながら、進めます笑

いま、若い人が旅行するときは、ガイドマップもガイドブックも使わないそうです。そんな中で、ガイドマップを一番必要としているのは、宿ではないでしょうか。ぼくはそう思います。

変に編集された「情報」ではなく、それぞれの人が語る「ことば」として伝達できるガイドマップにしたいと考えています。2のワークショップに参加したとき、前からあったこの構想を、さらにドライブさせるアイデアをいただけたので、めっちゃやる気です。話し出すと、どんどん深くなってしまうので、このあたりで…興味を持って関わってくださる方、絶賛募集中です。

◆課題:印刷とか製本とかになると大変だと思うけど、たぶんそういうものにはなりません。関わってくれる人を集められる、プレゼン力。ぼく自身の行動力。

 

 

4.記念撮影プランをつくる

西村邸にカメラマンさんを呼んで、そこで記念撮影ができるという、宿泊プランを出したいです。

いいですよ、和室とお庭。気軽に撮れるセルフィーもいいですけど、せっかくの場所なんだから、プロに撮ってもらいませんか?絶対、いい思い出になります。外国の方はもちろんですが、お子様連れのファミリーでやってほしいな…

◆課題:カメラマンさんのフィー。もちろん、報酬はしっかりとお渡ししますが、長くても数時間の仕事になるという点が難しそう?気軽にうけあっていただけそうな、近所の方のお力添え、お願い申し上げます。

 

 

5.親孝行プランもつくる

女の子って、びっくりするほどお母さんと旅行しませんか??ぼくには5つ下の妹がいるのですが、彼女も結婚して子どもが出来る前は、めっちゃ母と旅行してました。

「母娘みずいらず」パターンや、「私は行かないけど、両親に旅行をプレゼント」パターンに、なにか特典を用意できないかな~と思案中です。5と絡めてもいいかもしれません。これは、いわゆる「ゲストハウス」じゃないからこそ、できることなのだと思っています。強みを生かしていきましょう。

◆課題:自分が親不孝者なので、親孝行のアイデアに乏しい…(深刻)

 

 

6.落語、浪曲、講談などのイベントをする

これは結構パクリです。去年、近所の【旅宿 古白】さんに、浪曲師玉川太福さんのお話しを聞きに行きました。とてもよかった。

他には、近くの元興寺というお寺の境内で、夏の夜に開催された、講談師さん&落語家さんの話す怪談を聞く、という会にも行きました。最高だった。

西村邸の10畳の和室に、座布団しきつめてやりてぇなぁ、と思っています。あと、百物語もやりたいですね。最高すぎるロケーションだと思います。

◆課題:誰にどう頼むかに尽きるんですが、西村邸の改修をしてくださった大工さんから、娘さんが東京で講談師をしている、という話を聞かせていただき、俄然現実味を帯びてきました。

 

 

7.夜のパン屋&バーをやる

これもパクリです。東京には、こんなかわいい、夜中25時までやってて、ビールの飲めるパン屋があるんです。いい。

正直、ご飯よりもパン派なんです。なんかすみません。パン焼きたいんですよね。バッキバキに本格的な、カンパーニュ。「田舎パン」というやつです。そのためにオーブンも入れたんですけど、まだ使ってません。

朝昼の通常営業時は【毎日の茶飯膳】を押したいので、パンは出しません。じゃあ、いつ出すか。普段やっていない、夜のカフェ営業を、月に何回か限定で開催するのがよいかな~と、妄想しています。カンパーニュと、缶詰、チーズと。ぼくの好きなものばかりです。お酒は、オーソドックスにワインでもいいんですけど、やっぱり奈良のクラフトビールを揃えたいなぁ。よくないですか、麦麦しくて笑

その他にも、夜カフェ、バー企画の持ち込みは、とてもとてもお待ちしています!キッチン貸します!父が、そのうちデビューするかもしれません…

◆課題:ぼくがカンパーニュづくりを習得する。

 

 

8.ゲームの会をする

なにを隠そう、ぼくは結構ゲーマーです。ジャンル―というか触れている作品は、めちゃくちゃ狭いのですが、30代男性の平均から見ると、結構入れ込んでる方だと思います。

―そんな話はよくて笑 ぼくの「おばあちゃんち」は、従兄と一緒にスーパーファミコンで『スーパーボンバーマン2』をやった場所でもあります。ぼくの家にはテレビゲーム機はなかったので、それはそれは特別でした。

そして、お正月におばあちゃんの家に集まったら、するでしょ、『人生ゲーム』?しないのかな笑 高校時代の同級生からの縁で、奈良町で、アナログゲームの集まりを定期的に開いている方とも、出会えました。

泊りがけで、マリカ、スマブラ、やってください。(ぼくはスマブラできません笑)ボードゲーム、人狼ゲーム、やってください。古い囲碁盤もあります。将棋盤はまだない…大人も子どもも、わいわいきゃっきゃしましょう。「おばあちゃんち」なんですから。

◆課題:特になし。継続するなら、どう人を集めるか。マネタイズするか。デジタルゲームやるなら、ぜひ大きなスクリーンとプロジェクター欲しい。

 

 

9.西村邸に置くべきマンガ(あるいは小説)総選挙をする

おばあちゃんちだし、マンガもあってしかるべきでしょう。海外の方にも読んでもらいましょう、クールジャパン。

しかし、ぼくが自信をもって押せるのは『スラムダンク』くらいなので、有識者のご意見をいただきたいです。で、いっそのこと、みんなでそれに投票しちゃいましょう、という総選挙です。開催の折は、あなたの清き一票をよろしくお願いします。

『スラムダンク』の完全版、めちゃくちゃ町屋に合いそうな、シックな装丁で好きです。

◆課題:投票イベントとしてやるなら、盛り上げるための動線設計。とても大事。

 

 

10.蚊帳キャンプをする

蚊帳(かや)って見たことありますか?『となりのトトロ』に出てきます。主に夏、お布団の周りに張る、目の細かい網、ガーゼのようなもので、寝てる間に虫が入らないようにする、昔の暮らしの道具です。ぼくも実物は見たことがありません。奈良は産地として有名だったらしく、いまは蚊帳生地を使ったふきんなどが、お土産としても人気です。

その蚊帳を、宿泊で実際に体験しようという感じ。天蓋のような、テントのような感じになって、テンション上がるんじゃないかなと、妄想しています。

普通に畳のお部屋に張ってもいいですが、倉庫のような、半屋外っぽいスペースもあります。一時のグランピングブームも、だいぶ落ち着いた感がありますが、夏はキャンプみたいな暮らし方もあっていいのかもしれません。

◆課題:ちゃんとした奈良の蚊帳を買う。(いいお値段しそう。)

 

 

以上10個です。2020年中に、全部やりたい…やりたいですね~

なんとなく、方向性は伝わったでしょうか。結局やりたいことは、「伝統的な奈良町屋」という素晴らしいハードに対して、いかにそれを崩さないまま、親しみやすく、楽しく、心地よく、どこか懐かしさのあるソフトを組み込んでいくか、ということです。そして、その軸にあるのは、環境と文化の若い世代への継承。持続可能性の尊重です。

違いの分かる大人や、業界人だけが集まる場所を、ぼくはあまりいいと思えない。いや、そこまで言うと語弊があるか…笑 ぼく自身はそういうところも行きます!でも、少なくとも、ぼくが作りたいのは、そういう場所ではない。

西村邸が、伝統的で、落ち着いたよい場所だからこそのジレンマは、準備を始めた時から、ずっとずーっとずーーーっと感じています。大人向けに、もっともっと客単価を上げて、ラグジュアリーな場所にしていった方が、上手くいくのかもしれません。それについては、もう嫌というほど悩みました。

ただやはり、こうして言葉にすればするほど、「誰もがリラックスできて、カラッと楽しく笑える場所にしたい」そういう想いは強くなるばかりです。それはやっぱり、ここが「おばあちゃんち」だからでしょうか。なので、これからも言葉にしていきたいと思います。

 

西村邸はこんなところで、杉本雄太はこんな人です。最近知ってくださった方のご期待には、応えられているでしょうか。

まずはとにかく、覗きに来てください。そして、西村邸の空間と、杉本のイメージ、どっちも気に入っていただけたら、あたたかく見守ってください。

これから、西村邸がどういうふうに育っていくのかを、あなたに見ていただけるのが、とても楽しみです。

今日は、こんなところで。これからインタビューの記事も、続けてアップしますので、よかったら読んで下さい!