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西村邸の想いと、愛すべきクラフトマンシップにふれる読み物です

外から壁を塗ってもらえる、ありがたさ

じわじわとですが、宿泊・飲食以外でも、使っていただく機会が増えてきました。
何度か書いていますが、宿泊には180日の民泊営業日数制限があり、飲食店はどこまでいってもレバレッジの効かない労働集約型産業なので、レンタルスペースやイベントでのご利用は、西村邸を育てていくという視点でも、必要不可欠です。
西村邸の準備期間が長かった分、いろんな方にお会いできたことも、少しずつつながってきており、日々小さな喜びを頂いています。

 

先週末に、お座敷を使って開催してくださった、【だらだら話す会】なんかは面白くて。

友人の角谷さんがFacebook上に立てたイベントページには、「ただ集まってだらだら話しましょう~お正月の話とかするかも~」という緩めの呼びかけだけがあり、かなりふわふわした企画でした。今回初めての試みだったようで、最初にリリースされた時は、会場も決まっていませんでした笑 「ウチでやります?」と声をかけさせてもらったら、「いいんですか!」と乗ってただけました。

当日フタを開けたら、ゆるい募集にも関わらず13人集まって、そのうち2人は角谷さんとすら知り合いではない、全方位はじめましての方。「異業種交流会」みたいな大層な看板を掲げると、身構えてしまうものだけど、ゆるめの感じだから、行ってみようと思えたんだとか。
その他のメンバーも「がっつり身内!」とかではなく、適度に離れたコミュニティから人が集まっていたのは、何気にすごいことだと思います。ぼく自身も、お会いしたいと思っていた「友達の友達」的な人がたくさん来てくださって嬉しかったです。

 

「この雰囲気、ホンマに実家みたいですね。」

「正月の親戚の集まり感出てますよね。」

「わたしたち全員、いとこってことですか笑」

みたいなことを言いながら、ほんまにだらだらと、角谷さんとぼくの手料理を食べました。
座敷には、だらだらするためのブランケットやぬいぐるみを、雑多な感じに広げていたんですが、始める前、角谷さんは申し訳なさそうに

「杉本さん…なんかこれ、西村邸の雰囲気壊してるかも…評判さがったらごめんなさい。」

と言ってくれました。ぼくとしては、「おばあちゃんち」にふさわしい、寛いだ空間が演出されていたと思っています。
洗練された雰囲気と、フレンドリーのバランスは、西村邸のトーン&マナーにおいて、未だに悩み続けている部分ですが、「ひとつこれはアリやな。」という形が実際に見れたことは、西村邸にとっても、よい機会でした。

 

少し前に、「西村邸の輪郭線を引く」というようなことも書きましたが、最近感じるようになったのは、自分側から発信される情報だけでは、輪郭というのは、なかなか見えてこないモノなのかもな、ということです。

自分の言いたいことを言い続けるのは、あくまで骨組みづくりに過ぎない。その言葉が響いた誰かの外からの反応があって初めて、誰の目にもはっきり見える輪郭が固まっていくのかもしれません。
いままさに、西村邸の輪郭という壁を、内からも外からも塗っている感じがしています。以前どこかで読んだ、「ブランドというのは、顧客との関係の中で自然と生まれていくもの。」というような言葉も、おぼろげながら、実感を持ってきたかもしれません。

 

 

ぼくが一人でできるのは、ひとつひとつ、あったこと、できたことを確認しながら、また次の言葉を発信していくこと。

「続けることでしか、わかっていただけないこともある。楽しんで続けてくださいね。」

ランチができる奈良町のお店で、ぼくがイチバン好きな【珈琲と定食 minamo】(正直、西村邸よりもオススメです!!笑)の店主・福本さんが、昨日こんな言葉をかけてくださいました。沁みる。

 

 

実は、数日前に意外なところから、かなり嬉しくなる利用のご相談をいただけて、少し舞い上がっています。
西村邸の空間やコンセプトを見ながら、「いいですね~。今回の件に、すごくマッチすると思います。」と言ってくださいました。実際の利用はまだ少し先なのですが、いまから楽しみ。よい形で、これを読んでくださっている、あなたの目にも届けばいいなと思います。

でも、これまで33年の経験で、こういう舞い上がり方をしているときに、よくない失敗をするのが自分でわかっています笑 ちょっと落ち着けよ、という意味も込めて、今回の文章は書きました。今日からまた、淡々といきます。よろしくお願いします。