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西村邸の想いと、愛すべきクラフトマンシップにふれる読み物です

ホテルはメディアである

こんばんは、木曜日の定期ブログです。いま、京都のホテルの客室で、これを書いています。

―ホテルの客室は、ブログの書き出しに使いたいロケーションNo.1ですよね笑 同率1位で、空港のラウンジです。(杉本調べ)

 

とある事情で、京都のHOTEL SHE, KYOTOへ泊まりに来ました。夕方に西村邸のカフェをクローズしてから、明日の定休日を利用させて頂いての、弾丸旅行です。(と言っても1時間で来れるのですが…)

 

HOTEL SHE, KYOTO、ご存知ですか?
L&G global business というホテル事業を中心とした若い企業があり、そこが運営するホテルの一つです。代表の龍崎翔子さんのテレビ出演なども話題になって、特に若い世代に人気の場所です。
宿泊業の経験がなかったぼくは、去年の秋、同じくL&Gさんが運営される、北海道・層雲峡のHOTEL KUMOIへ、2ヶ月間のホテル修行に行き、いろいろとお世話になりました。

 

 

宿泊業に全く縁のなかったぼくが、「ホテルっておもしろそう!」と思い始めたのはなぜか。直接のきっかけは思い出せないけど、HOTEL SHE, と、龍崎さんの存在が、「おもしろそう!」をギンギンに加速させたのは間違いありません。

最初に彼女の存在に触れたのは、Twitterでした。ファボ(いいね)を遡ると、2018年4月26日には、彼女のツイートに出会っているようです。

ここから、かれこれ1年半経っています。「町を空気感を伝えるホテル」みたいな概念は、その間に相当こすられ、もはや陳腐な響きを帯びてすらいるかもしれません。ですが、このツイートは、当時「おばあちゃんちを使って、宿をしよう」「おばあちゃんちのある奈良町が、自分の価値観のルーツ」と考えはじめていた自分のイメージを、大きく肯定し、育ててくれたと言えます。

 

「ホテルはメディアである」という龍崎さんが発信されていた言葉にも、とても影響を受けました。

ぼくは昔、インテリアが好きで、雑貨屋さん、インテリアショップをやりたかった。ハウスメーカーに居たこともあります。ですが、いろいろな経験を経て、実際は(家を含めた)モノを作ったり売ったりすること自体に、それほど感情移入できないことが、自分でわかってきました。自分が関心を持てるのは、そこに在る「生活態度」であり、それを整えることだな、と考えるに至ります。感じのいいものを使って、穏やかな空間で、心地よく暮らそう。自分が言いたいこと、本当に売りたいものは、そういうことなのではないか、と。

それを最もリアルに提案できるのは、雑貨屋でもハウスメーカーでもなく、「宿」かもしれない。宿が提供する時間と空間は、まさにライフスタイル雑誌の4D版です。それに気づかされてからは、宿のことを考えるのが、めちゃくちゃ楽しくなりました。

西村邸も、単なる宿泊施設ではなく、「奈良町暮らしの体験施設」だと言うようにしていますし、その体験を通じて、ぼくの考える「持続可能性」を伝える、自分自身のメディアだという思いでやっています。

「ブランディング」全盛期のいま、いろんなメーカー、ブランドが宿泊事業に乗り出すのは、自分たちの世界観を1から10まで表現できる媒体が、ホテルだからだと、ぼくは解釈しています。

 

 

その名の通り、グローバルな視点で事業を育てられているL&Gさん、龍崎さんと「肩を並べる」というのは違うかもしれませんし、空間の在り方も、HOTEL SHE,と西村邸では、まったく別物です。ですが、ここからいただけたモチベーションは、大きな存在として、きっとこれからもぼくの中で残り続けるでしょう。

 

 

去年の7月にも一度泊まらせていただいた、2回目のHOTEL SHE, KYOTO。

その時に京都のクラフトビールを飲んだ居酒屋さんは、なくなっていました。思わず寒くなった背筋を、変わらず残るレトロな銭湯が温めてくれます。今年の3月にリニューアルしたHOTEL SHE, KYOTOは、よりムードのある場所になっていて、 HOTEL KUMOIでお世話になったスタッフさんも、元気そうで嬉しくなりました。フロントで買えるアイスクリーム、Honey&FigとCaramel、バチバチに美味くておすすめです。ぜひ。

 

明日は、清水五条のあたりをすこし散策して、奈良に戻ります。